*最適な介護を、自分で選ぶための情報紙*
┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌日本介護新聞┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌
*****平成30年8月26日(日)第44号*****
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*****平成30年8月26日(日)第44号*****
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【今週の話題】居宅系サービスは家族に認知されているか?
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【今週の話題】居宅系サービスは家族に認知されているか?
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◇―[はじめに]―――――――――――
通所系から施設系まで、幅広く介護事業所を展開している、関東地方のある事業者から聞いた話しですが、そこで運営している介護施設に高齢者が入居する際に、最も多いパターンは「インターネットで色々と調べてみた結果」だそうです。
その「調べてみた」のは、施設に入居する本人のケースよりも、息子さんや娘さんなど、家族の場合がほとんどだそうです。
家族の方々が施設に電話をかけてきて「実はウチの母親が入る介護施設を探しているのだが、ネットでそちらの施設の概要を見たのだが……」というきっかけで相談を持ち掛ける場合が、圧倒的に多いそうです。
家族の方々が施設に電話をかけてきて「実はウチの母親が入る介護施設を探しているのだが、ネットでそちらの施設の概要を見たのだが……」というきっかけで相談を持ち掛ける場合が、圧倒的に多いそうです。
また、通所系のサービスの場合も、結果的にはケアマネジャーからの紹介がほとんどだそうですが、そのケアマネジャーに介護サービスの利用の相談を持ち掛けるのはやはり、サービスを受ける本人の家族になるそうです。
では、その「相談を持ち掛ける」側の息子さんや娘さんは、親の介護をどう考えているのかーー今回はそこから見えてくる問題点について、考えてみたいと思います。
ぜひ、じっくりとご一読下さい。
日本介護新聞編集局一同
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先週の「デイリー電子版」から……
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先週は、以下の5本の記事を掲載しました。なお、URLは短縮機能を使用しています。
8月21日(火)=脳トレができるシニア向けぬいぐるみ
https://bit.ly/2wuYHzA
https://bit.ly/2wuYHzA
8月22日(水)=殺菌効果と低刺激性を両立させた消毒剤
https://bit.ly/2NjJGYx
https://bit.ly/2NjJGYx
8月23日(木)=介事連設立総会「大同団結」呼びかける
https://bit.ly/2P9I4RD
https://bit.ly/2P9I4RD
8月24日(金)=イソジンうがい薬「さわやか風味」追加
https://bit.ly/2P6Rugx
https://bit.ly/2P6Rugx
8月25日(土)=父親の介護、女性の8割「抵抗あり」
https://bit.ly/2MRmS5n
https://bit.ly/2MRmS5n
今回はこのうち、土曜日の「父親の介護、女性の8割『抵抗あり』」を取り上げたいと思います。
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「親の介護は抵抗がある」ので「施設」か?
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「親の介護は抵抗がある」ので「施設」か?
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土曜日の「デイリー電子版」で取り上げたアンケートは、直接的には介護サービスと関係のない、全国に19院を展開する医療脱毛専門院「リゼクリニック」が実施しました。
本来の趣旨は、「脱毛」に関する高齢者の家族の意識調査だったのですが、それ以外の項目でかなり気になった視点から質問を投げかけているため、記事として掲載しました。
本来の趣旨は、「脱毛」に関する高齢者の家族の意識調査だったのですが、それ以外の項目でかなり気になった視点から質問を投げかけているため、記事として掲載しました。
最も「気になった」のが、タイトルにも取り上げた、父親の介護を「抵抗あり」と答えた女性が8割もおり、さらに母親の介護を「抵抗あり」と答えた男性を大きく上回ったことです。具体的には、次のような設問(▼)と、回答(▽)でした。
▼自身と親の性別が異なる場合、介護をすることに抵抗はありますか?(単一回答)《全体/男女別》
▽抵抗はある=72・9%(男性62・0%/女性83・7%)
▽抵抗はない=27・1%(男性38・0%/女性16・3%)
▽抵抗はある=72・9%(男性62・0%/女性83・7%)
▽抵抗はない=27・1%(男性38・0%/女性16・3%)
つまり、「娘が父親の介護に抵抗がある」=83・7%が、「息子が母親の介護に抵抗がある」=62・0%を、21・7ポイントも上回りました。
この調査は、今年7月20日(金)から23日(月)の4日間、30代から50代の男女332名を対象に、インターネットで調査しました。当然のことですが「親の介護」が意識せざるを得なくなった世代の方々です。
次に「両親の理想の介護方法」についての問答をみてみます。
▼親に介護が必要となった場合、どのように介護を行うと思いますか?(複数回答)《全体/男女別》
▽1、介護施設に入所してもらう=47・3%(男性45・2%/女性49・4%)
2、自身で行う=46・7%(男性46・4%/女性47・0%)
3.介護士に頼む=38・9%(男性35・5%/女性42・2%)
4.自身の兄弟など、親類に頼む=19・3%(男性16・9%/女性21・7%)
5、自身のパートナーに頼む=9・6%(男性12・7%/女性6・6%)
6、親のパートナーに頼む=6・9%(男性5・4%/女性8・4%)
▽1、介護施設に入所してもらう=47・3%(男性45・2%/女性49・4%)
2、自身で行う=46・7%(男性46・4%/女性47・0%)
3.介護士に頼む=38・9%(男性35・5%/女性42・2%)
4.自身の兄弟など、親類に頼む=19・3%(男性16・9%/女性21・7%)
5、自身のパートナーに頼む=9・6%(男性12・7%/女性6・6%)
6、親のパートナーに頼む=6・9%(男性5・4%/女性8・4%)
「施設に入所」が「自身で行う」「介護士に頼む」を抑えて第1位になりました。
これ以上は詳細な設問がないのですが、「介護士に頼む」は当然のことながら、これに加えて「自分で行う」も、通所系や訪問系の居宅サービスを利用しながらも、「親には施設ではなく、自宅にいてもらいたい」という気持ちを含んだ回答と思われます。
これ以上は詳細な設問がないのですが、「介護士に頼む」は当然のことながら、これに加えて「自分で行う」も、通所系や訪問系の居宅サービスを利用しながらも、「親には施設ではなく、自宅にいてもらいたい」という気持ちを含んだ回答と思われます。
おそらく、このアンケート調査の回答者はまだ、直接的には「親の介護」には直面していない方が多いと思われます。それを踏まえて「施設に入所」が「自身で行う」「介護士に頼む」を上回ったのは、どのような理由からなのでしょうか?
ここで、さらに突っ込んだ調査をしていれば、それも考察できたのですが、単純に考えれば「親の介護には抵抗があるので、施設に入所してもらいたい」になるのかもしれません。
残念ながらここから先は推測しかできませんので「正解」はないと思います。それでも敢えて、弊紙では次の設問に注目してみました。
残念ながらここから先は推測しかできませんので「正解」はないと思います。それでも敢えて、弊紙では次の設問に注目してみました。
▼今後、自身が介護を受けることになった際、誰に介護をされたいですか?(複数回答)《全体/男女別》
▽1、介護士=41・6%(男性37・3%/女性45・8%)
2、誰にもされたくない=38・3%(男性38・6%/女性38・0%)
3、自身のパートナー=20.8%(男性25・9%/女性15・7%)
4、我が子=19・3%(男性18・0%/女性20・5%)
▽1、介護士=41・6%(男性37・3%/女性45・8%)
2、誰にもされたくない=38・3%(男性38・6%/女性38・0%)
3、自身のパートナー=20.8%(男性25・9%/女性15・7%)
4、我が子=19・3%(男性18・0%/女性20・5%)
結果は、「介護士」がトップになりました。これは「もし、自分自身に介護が必要になった時は、プロである介護士に任せたい」という意味だと思います。
弊紙がここで注目したのは、先の設問で、親には「介護施設に入所してもらう」ことと「介護士に頼む」との間には、約10ポイントの差があることです。
弊紙がここで注目したのは、先の設問で、親には「介護施設に入所してもらう」ことと「介護士に頼む」との間には、約10ポイントの差があることです。
その答えを冒頭で紹介した問答と合わせて考えれば、「親の介護には抵抗があるので、施設に入所してもらい、プロの介護士にみてもらいたい」と考えることができると思います。
しかし、弊紙がこれまで見てきた様々なアンケートでは、介護サービスを受ける可能性のある高齢者は、そのほとんどが「施設ではなく、住み慣れた自宅で介護を受けたい」と答えています。
このギャップはどこにあるのかーー最も可能性が高いのは、「介護」についてまだ「親子で真剣に話し合っていない」ことが考えられます。
しかし、これも「正解」はないのを承知で敢えて弊紙の仮説を述べますと「息子さんや娘さんの世代には、居宅系介護サービスに『馴染み』がないのではないか?」と考えます。
しかし、これも「正解」はないのを承知で敢えて弊紙の仮説を述べますと「息子さんや娘さんの世代には、居宅系介護サービスに『馴染み』がないのではないか?」と考えます。
確かに、息子さん娘さん世代がまだ、自分の親が「介護」の世話にもなっていないのに、「居宅系サービスを知っている」事例は極めて稀だと思います。
しかし現実に、親の世代の「住み慣れた自宅で、介護サービスを受けながら長く暮らしたい」という願望を叶えるためにも、「30代から50代の方々に居宅系介護サービスの実情を『正しく』知ってもらう」ことは、今後の介護業界の発展のためにも極めて重要なことではないかと、弊紙では考えます。
少なくとも今後、同じようなアンケート調査を実施した際に、「親に介護が必要になった時は?」の設問に、「施設に入所してもらう」と「居宅系介護サービスを利用して、プロの介護士にみてもらい、自宅にいてもらう」の答えが、拮抗するような状況になればと、弊紙では願っております。
◇―[おわりに]――――――――――――
長い文書を最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
介護とは直接には関係のない事業者が実施するアンケートは、結果をよく見ると意外な実態が浮かび上がってくることがあります。
弊紙は介護の専門紙ですが、取り扱う記事の「ストライクゾーン」はできるだけ広く、例えボール三つ分くらい外れていても積極的に取り上げ、弊紙なりの大胆な「仮説」を立てて分析し、「課題」を提唱して、その解決策を模索していきたいと思います。
今後ともどうか弊紙をご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。
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